第0章 レッスン05

Claude と Claude Code を知る

このレッスンでできるようになること: 数あるAIの中で、なぜこの教材が Claude を使うのかを、誇張なしに説明できる。そして「Claude API」と「Claude Code」の違い(部品と完成品)、Claude Code でどんなことができるのかの全体像がつかめる。 所要時間: 35〜45分 このレッスンは読むだけです。インストールはありません。最後に、通し成果物へ気づきを1行だけ書き足します。実際に Claude Code を入れて起動するのは、次のレッスン06です。

再開する人へ: ①ターミナルを開く → ② cd ~/fde-dojo で教材フォルダに移動(メモを書くときに使います) → ③前回の続きの見出しから読み始めてOKです。

前のレッスン04で、「AI にはいろいろな種類があり、Claude が使う LLM はその一種」だと分かりました。このレッスンでは、その中の1つである Claude に絞って見ていきます。まず「なぜ Claude なのか」、次に「Claude API と Claude Code は何がどう違うのか」、最後に「Claude Code で何ができるのか」です。ここも読むだけの回です。

1. なぜ、この教材は Claude を使うのか

先に、はっきりさせておきます。AI には良い選択肢がいくつもあり、Claude だけが正解というわけではありません。 他の AI が劣る、という意味でもありません。そのうえで、この教材が Claude を選んでいる理由は、次の4つです。

  • ① 安全性を重視した作り方をしている … Anthropic(Claude の開発元)は、Constitutional AI(憲法AI)という作り方を採っています。AI が従うべき原則(世界人権宣言などをふまえた多くの項目)を、あらかじめ文章で明文化します。そのうえで、AI が自分の答えをその原則に照らして自己点検・改善するよう訓練する、という考え方です。「原則が文章で書かれていて、調整もできる」という透明さが、安心の材料になります。
  • ② 長い文章やコードをまとめて扱える … 大きなドキュメントやコード全体を、一度に渡して相談できます。開発の相棒として扱いやすい特性です。
  • ③ コーディングやエージェント用途での評価が高いとされる(2026年時点) … プログラムを書く・複数の手順を自分で進める、といった用途で評価されています。評価は時期によって変わるものなので、あくまで「執筆時点ではそう言われている」という受け止めで十分です。
  • ④ 日本語でやりとりできる … 日本語で指示し、日本語で返事をもらえます。

まとめると、こういうことです。

AI には色々な選択肢があります。この教材では、その中の1つである Claude を使います。理由は、①開発元の Anthropic が安全性を重視した作り方(原則を明文化した Constitutional AI)をしていること、②長い文章やコードをまとめて扱えること、③コーディングやエージェント用途での評価が高いこと(2026年時点)、④日本語でやりとりできること、です。他の AI が劣るという意味ではありません。目的や相性で選ぶもので、Claude はそのための堅実な選択肢の1つです。

2. Claude API と Claude Code の違い(部品と完成品)

ここで、混同しやすい2つの言葉を切り分けます。Claude APIClaude Code です。

モデル・API・Claude Code の3層を示した図。いちばん下がモデル(頭脳・考える中身)、その上がAPI(窓口・プログラムから呼び出す接続口の部品)、いちばん上がClaude Code(ターミナルで対話しながら操作できる完成した道具)。Claude Code はAPIを通してモデルを呼んで動く

図のとおり、3つの層で考えると分かりやすいです。

  • モデル(頭脳) … 考える中身そのものです。文章を読み、次に来る言葉を予測して答えを組み立てる、いちばんの土台です(レッスン04の LLM の中身です)。
  • Claude API(窓口・部品)プログラムから Claude を呼び出すための接続口です。API=部品で、それ単体では道具になりません。開発者が、自分のプログラムに組み込んで使うものです。
  • Claude Code(道具・完成品) … その部品(=Claude のモデル)を使い、ターミナルで対話しながらファイルやコマンドを操作できるように組み上げた、完成した道具です。

たとえるなら、**API はエンジンなどの「部品」**で、**Claude Code はその部品を組み込んで完成させた「乗り物」**のようなものです。Claude Code も、裏では API を通して Claude のモデルを呼んでいます。

この教材では、Claude Code(完成した道具)を、次のレッスン06から使います。一方で、API(部品)を自分のプログラムから直接呼ぶのは、もっと先の第5章です。ここでは「そういう窓口がある」と知っておくだけで十分で、プログラムを書く必要はありません。

3. Claude Code とは何か

あらためて、Claude Code を一言でいうと、こうです。

Claude Code=ターミナルで動く、AI のコーディング・エージェント

「エージェント」とは、こちらの指示を受けて、自分でいくつかの手順を進めてくれる存在、という意味です。ただ返事をするだけのチャットとの違いは、ここにあります。Claude Code は、あなたと対話しながら、あなたの許可のもとで

  • コードやファイルを読み
  • ファイルを編集し
  • コマンドを実行し
  • Git を操作する

といった、実際の作業を手伝えます。ターミナルのほか、エディタ(IDE)やデスクトップ、ブラウザからも使えますが、この教材ではターミナルで進めます。

大事なのは、これらの「実際にあなたのPCを触る」操作の前には、必ずあなたの許可を挟むという点です。その仕組みは、次のレッスン06で実際に動かしながら体で確かめます。

4. Claude Code でできること(名前と一言まで)

Claude Code には、便利な仕組みがいくつも備わっています。ここでは名前と一言だけ紹介します。それぞれを実際に手を動かして使いこなすのは、主に第6章です。今は「こういう道具が入っているのか」と眺めるだけで十分です。丸暗記は不要です。

名前一言でいうと手を動かすのは
CLAUDE.mdプロジェクトの直下に置く、セッションのたび毎回読まれる恒久の指示書。この教材の「先生チーム」の正体がこれです第6章
スキル(Skills)よく使う役割の振る舞いを、ひとまとまりの部品にしたもの。この教材でこの先あなたを助ける「先生役」「エラーの相談役」「理解の確認役」なども、この仕組みで作られた例です(正体は次の第6章で扱います)第6章
スラッシュコマンド/ から機能やスキルを呼ぶ仕組み(例: /helpレッスン06で少し
権限モード実行の前に「どこまで確認するか」を切り替える仕組みレッスン06で体験
サブエージェント複数のエージェントを立て、分担・統合しながら並行して作業する第6章
ループセッションの中で、同じ指示を一定の間隔で繰り返す第6章
MCP外部のデータやサービスにつなぐための、オープンな仕組み(慎重に扱う)
plan mode(計画モード)実行の前に計画を見せ、あなたのレビューを経てから動く第6章
チェックポイント加えた変更を、後から戻せる仕組みレッスン06で体験

MCP について一言: MCP は「外部のプログラムに、作業環境へのアクセスを渡す」入り口になります。便利な反面、慎重さが要ります。この教材では、検証済みと明示したもの以外は、導入前に必ず立ち止まって確認します。今は「そういう仕組みがある」で十分です。

Claude Code は、このように拡張できる強力な道具です。CLAUDE.md・スキル・ループ・サブエージェントなどの使いこなしは、第6章で実際に手を動かします。 このレッスンでは、名前と一言までで大丈夫です。

予測してみましょう

セクション2の「部品と完成品」から考えてみてください。ターミナルを開いて、**そのまま対話しながらファイルやコマンドを操作できる「完成した道具」**は、次のどちらでしょうか。

  • A: Claude API
  • B: Claude Code

予測を決めたら、このあと setup-notes.md に1行書きます。まずは A か B か、自分の考えを決めておいてください。

答え合わせ(A か B を決めてから開いてください)

正解は B(Claude Code) です。**API は「部品」**で、それ単体では道具にならず、プログラムに組み込んで使うものでした。**Claude Code は、その部品を組み込んで完成させた「道具」**なので、ターミナルからそのまま対話して操作できます。次のレッスン06で、実際に入れて動かします。

理解ゲート(セルフチェック)

このレッスンもまだ Claude Code を入れる前なので、自分で答え合わせをします。声に出して自分の言葉で答えてから、開いて確認してください(暗記ではありません。イメージが持てていれば十分です)。

Q1. この教材が Claude を使う理由を、誇張せずに説明すると?

例:「良い AI は複数あり、この教材はその1つとして Claude を使う。理由は、安全性重視の作り方(Constitutional AI)・長文やコードを扱える・コーディングでの評価・日本語対応の4点。他が劣る意味ではなく相性で選ぶ」。

Q2. Claude API と Claude Code は、どう違う?

例:「API は部品で、プログラムに組み込んで使う接続口。単体では道具にならない。Claude Code はその部品を組み込んで完成させた道具で、ターミナルで対話しながらファイルやコマンドを操作でき、裏では API 経由でモデルを呼ぶ」。

Q3. Claude Code を一言でいうと? ふつうのチャットと何が違う?

例:「ターミナルで動く、AI のコーディング・エージェント。ただ返事をするだけでなく、あなたの許可のもとで、コードを読み・ファイルを編集し・コマンドを実行し・Git を操作できる。実際にPCを触る操作の前には必ず許可を挟む」。

Q4. この教材で、この先あなたを助けてくれる「先生役」や「エラーの相談役」の正体は?

例:「Claude Code の CLAUDE.md(毎回読まれる指示書)と、スキルとして書かれた振る舞いの指示。特別な別物ではなく、この教材フォルダの中の文章で決まっている」。

通し成果物に1行残す

いつもの setup-notes.md に、このレッスンのメモを足します。ターミナルで、まず教材フォルダへ移動します。

cd ~/fde-dojo

エディタで開いて、1行書きます。

  • macOS: open -e workspace/ch0/setup-notes.md(「開けない」と出たら、先に touch workspace/ch0/setup-notes.md を実行してから開き直す)
  • Windows: notepad workspace\ch0\setup-notes.md(「新規作成しますか?」と聞かれたら「はい」)

さきほどの予測(A か B か)が当たったかと、このレッスンで印象に残ったことを、自分の言葉で1行書いて保存してください(例: 05: 完成した道具はB(Claude Code)。APIは部品だと分かった)。このファイルは、レッスン08で Git に記録します。

まとめ

覚え込む必要はありません。次のイメージがなんとなく浮かべば十分です。

  • この教材が Claude を使う理由を、誇張せず4点で言える
  • 「API=部品」「Claude Code=完成した道具」の違いがイメージできた
  • Claude Code は「ターミナルで動く AI のエージェントで、許可のもとで読む・書く・実行する・Git を操作できる」と言える
  • CLAUDE.md やスキルなど、Claude Code の要素を「名前と一言」で眺めた(使いこなしは第6章)
  • workspace/ch0/setup-notes.md に、このレッスンの気づきを1行書いた

これで、AI と Claude の地図がそろいました。今日はここで区切ってOKです。 次からは、いよいよ道具を手元で動かします。


次は レッスン06 Claude Codeを入れて初起動 へ。ここまで概念で見てきた Claude Code を、実際にあなたのPCに入れて、初めて起動します。

最終確認日: 2026-07-24