この回でやること: 第0章で身につけたことを、答えを見ずに「思い出す」。環境がひととおりそろっているかを健康診断で確かめ、第1章へ進む準備を整える。 所要時間: 30〜40分
再開する人へ: ①ターミナルを開く → ②
cd ~/fde-dojoで教材フォルダに移動 → ③前回の続き(この回は読みながら思い出す回。新しくインストールするものはありません)。
この回について — 「思い出す」ことが練習になる
この回は、新しいことは覚えません。すでに学んだことを、答えが見えない状態で思い出す回です。
読み返して「わかった気になる」のと、何も見ずに「思い出せる」のは別ものです。思い出そうと頭をひねる作業そのものが、記憶を定着させます(これを分散想起と呼びます)。だから下のテストは、まず折りたたみを開かずに自分で答えてみて、それから開いて答え合わせをしてください。
うろ覚えでも大丈夫です。「思い出せなかった」と気づけたら、それも収穫です。気になったところは、各レッスンに戻ればいつでも読み返せます。
章横断の想起テスト(10問)
各問、まず自分で声に出すか、頭の中で答えてから、折りたたみを開いてください。全問正解する必要はありません。7問くらい思い出せれば、第0章の土台は十分です。
Q1. ブラウザと検索エンジンは、何が違う?(01)
ブラウザは Web ページを表示する道具(Chrome / Safari / Edge など)。検索エンジンは、探しものの在り処を教えてくれるサービス(Google など)。ブラウザという「窓」の中で、検索エンジンという「案内所」を使う、という関係です。
Q2. URL の `https://example.com/help` を分解すると、それぞれ何?(01)
https=通信のやり方(s は暗号化ありの安全な通信)、example.com=どのサーバー(住所にあたる名前)、/help=そのサーバーの中のどのページか。名前からサーバーを探し当てる仕組み(DNS)は第3章で扱います。
Q3. `pwd` は何を教えてくれる?(02)
**今いる場所(現在のフォルダ)**を表示してくれます。「あれ、コマンドが動かない」の多くは「今いる場所が違う」が原因なので、困ったらまず pwd。目的の場所へは cd ~/fde-dojo などで移動します。
Q4. 知らないコマンドを実行してよいか、どう見分ける?(02)
3つの判断基準でした。①自分で検索して辿り着いた公式サイトの導入ページに書かれているか(ブログや AI の出力からコピーしない)、②https か、③知らない sudo が付いていないか。とくに rm -rf …・知らない sudo …・知らない curl … | bash の3つは、意味がわからないまま打たないのが鉄則です。
Q5. commit と push は、それぞれ何をする?(03)
commit は、変更を手元(ローカル)の履歴に記録すること。push は、その記録をリモート(共有の置き場)へ送ること。まず手元で commit、そろったら push、という順です。push には認証という関門があり、この教材では第3章で gh のブラウザ認証として体験します。ブランチ・マージなどの語は、第6章で手を動かします。
Q6. Claude Code の「頭脳」と「手足」は、それぞれどこにある?(04)
頭脳(AI モデル)はインターネットの向こう(Anthropic のサーバー)、手足(実際にファイルを触る部分)はあなたの PC の中。だからネットが切れると会話できません。そして手足が実物のファイルを触る前には、必ずあなたの許可を求めます。
Q7. 権限確認ダイアログは何のため? 迷ったらどれを選ぶ?(04)
Claude Code が「あなたの PC を実際に触る」直前に、あなたに最終判断を委ねるためのブレーキです。迷ったら「今回だけ許可」。第0章のうちは「以後聞かず許可」は選びません。会話するだけなら許可は要りません。
Q8. Claude Code の止め方・降り方は?(04・05)
作業を中断したいときは Esc(数回押す)。終了したいときは、入力欄で exit(または /exit、Ctrl + D を2回)。細かいキーはバージョンで変わることがあるので、迷ったら /help で確認できます。
Q9. エラー文は、どの順で読む? 5つの型のうち3つは?(05)
読む順は ② 何が起きたか → ① 誰が言っているか → ③ どこで。核心は②の1行です。5つの型は、①名前が見つからない(command not found)、②モノが見つからない(No such file / Cannot find module)、③許可がない(Permission denied)、④書き方が壊れている(SyntaxError・全角の罠)、⑤外とつながらない(timeout)。まず自分で見立ててから、doctor に答え合わせ、の順でした。
Q10. `git status` を打つと、変更はどんなまとまりで見える? Node.js の使うバージョンは、どう選ぶ?(06・07)
git status は「今どうなっている?」を見るだけの安全なコマンドで、変更が「まだ記録されていない分」「次のコミットに含める分」などのまとまりで見えます。add で含める分を選び、commit で記録、間違えたら restore で戻す、という流れでした。Node.js は「バージョン番号を暗記」ではなく、公式のリリースページで Active LTS または Maintenance と示されているものを、自分で公式ページを見て選びます(サポートが終わった版=EOL は避ける)。
第0章 エラーカタログ(よく出た型のまとめ)
第0章の各レッスンで出会った「詰まり」を、型でまとめます。これで全部ではありません(世の中のエラーはもっと多彩です)。第0章でよく出た代表を、5つの型に紐づけて振り返るための表です。困ったら、この表で「まず何を疑うか」を思い出してください。
| 症状(出た文の例) | 型 | まず疑うこと | 出てきたレッスン |
|---|---|---|---|
command not found / 「認識されません」 | ① 名前が見つからない | 打ち間違い → ターミナル開き直し(PATH)→ 未インストール | 02・05・07 |
No such file or directory | ② モノが見つからない | 今いる場所(pwd)→ ファイル名の打ち間違い | 05・06 |
Permission denied / EACCES | ③ 許可がない | 権限。自己流の sudo は打たず doctor へ | 06・07 |
SyntaxError / 予期しない記号 | ④ 書き方が壊れている | 全角の引用符・全角スペースの混入 | 05 |
接続エラー / timeout | ⑤ 外とつながらない | ネットワーク・社内プロキシ・セキュリティソフト | 04・07 |
Please tell me who you are | (設定不足) | git config の名乗り(名前とメール)がまだ | 06 |
claude: command not found | ① 名前が見つからない | ターミナル開き直し(PATH)→ 再インストール | 04 |
環境の健康診断チェックリスト
第0章で入れた道具が、そろって動くかを一括で確かめます。doctor に頼むのが一番早いです。claude を起動して、こう頼んでください。
doctorスキルで環境全体を点検してください。第0章を終えるところです
doctor が下の項目を順に確認してくれます。自分で1つずつ打って確かめても構いません(すべて表示するだけの安全なコマンドです)。
-
git --version… Git が入っている(03 で導入) -
node --version… Node.js が入っている(07 で導入) -
npm --version… npm(Node.js に付いてくる道具箱)が使える -
claude --version… Claude Code が入っている(04 で導入) -
pwdが.../fde-dojoを含む … 教材フォルダの中にいる
どれかで
command not foundが出ても、慌てないでください。それは「その道具の導入レッスンに一度戻ればよい」という合図です。doctor に症状ごと相談すれば、どこへ戻ればよいか案内してくれます。
あなたができるようになったこと
第0章を通して身についたことを、可視化します。思い当たるものにチェックを入れてみてください。
- Web の仕組み(パソコン・ブラウザ・サーバー・URL)を、自分の言葉でざっくり説明できる
- ターミナルで、今いる場所を確かめ、移動し、一覧を見られる。打ってはいけない操作の見分け方を持っている
- Git とは何か(記録・履歴・ローカルとリモート)のイメージがあり、教材を clone で受け取れた
- Claude Code を起動し、日本語で頼み、権限確認の意味がわかったうえで許可を選べる
- エラー文の3点セットと5つの型を知り、まず自分で見立ててから doctor に答え合わせを頼める
-
git add→commitで記録し、restoreで直前の状態に戻せる - Node.js を、公式ページで使うバージョンを確かめたうえで入れられた
半分以上にチェックが付けば、第1章へ進む準備は十分です。付かなかった項目は、該当レッスンに戻れば、いつでも取り戻せます。
用語で迷ったら
第0章で出てきた言葉(PATH・リポジトリ・コミット・clone など)の意味をまとめた用語集があります。読みながら迷ったら、こちらを開いてください。
- 用語集: docs/glossary.md
つまずき履歴を振り返る
第0章の各レッスンで、あなたは workspace/ch0/setup-notes.md に、学んだことや詰まったところを1行ずつ書き溜めてきました。エディタで開いて、ざっと読み返してみてください。
- macOS:
open -e workspace/ch0/setup-notes.md - Windows:
notepad workspace\ch0\setup-notes.md
自分が何につまずき、どう抜けたかの記録は、この先いちばん頼りになる「自分専用の攻略メモ」です。
これで第0章は修了です。 あなたのパソコンは、AI と一緒に開発を学べる状態になりました。ここまでが一番地味で、越えると景色が変わる区間です。越えたことを、ちゃんと誇ってください。
次は 第1章 はじめての Claude 協働 — いよいよ AI との「正しい付き合い方」を学びます。最初の課題は、あえての「丸投げ」から始まります。
最終確認日: 2026-07-24